HOME > 葬儀の基礎知識(目次) > Vol.10 弔辞の栞
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■弔辞の栞
1. 弔辞の意味
弔辞とは、故人に捧げる別れの言葉です。葬儀の際、故人に向かって、語りかけるように述べるものが弔辞で、言い換えればそれは、故人への最後の手紙とも言えましょう。

弔辞は、死者との対話です。威厳さも、華やかさも必要がなく、「悲しい死を慰める」という基本にたち、自分の心のままに、故人を失った悲しみを語ります。

故人の霊を慰めると同時に、悲しみに沈む「遺族を慰める」言葉も忘れてはならない大切なことです。ですから、弔辞を作る場合、全体の構成と一つ一つの言葉使いにも慎重にならなければなりません。
(むやみに感傷的な言葉を並べない。自分本意の個人的な話題を避ける。)

葬儀では以上のことに気をつけ、述べる側と故人との関係を考えた上で、弔辞全体の調子を決め、その立場にふさわしい弔辞を述べます。
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2. 弔辞の構成
弔辞の構成は、大きく分けて「出だし」「主題」「結び」の三つにわけられます。
述べる側と故人との関係なども踏まえてまとめていきます。
■出だし
・初めの言葉
・故人の死に対する驚きと悲しみの言葉
■主題
・故人の人柄を表す言葉
・故人の功績や業績をたたえる言葉
・故人とのかかわりやエピソード
・残された者の責任と故人への誓いの言葉
■結び
・遺族への励ましと慰めの言葉
・冥福を祈る結びの言葉
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3. 奉読の作法@
司会者に呼ばれたら、霊前に進み、まず御導師、遺族席に一礼します。
次に遺影に一礼して弔辞の包みを開きます。そして以下次の順序で行います。
@ 右手で持っていた弔辞を両手で持ち直し、丁寧に包みから取り出す。
A 上包みをたたみ、側卓に置く。 (もしくは懐にいれるか左手に持つ。)
B 左手に持った弔文に右手を添え開く。
C 両手で捧げ持つようにし、目の高さに差し出し語り掛けるようにゆっくりと読み上げる。
D 読み終わったら、もとのように包みに戻し、表書きを霊前に向け卓上に置く。
(弔辞は供えずに、持ち帰ってもかまいません)
E 遺影に一礼した後、御導師、遺族席に一礼して席に戻る。
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4. 奉読の作法A
弔辞は、読み上げるだけで持って帰ることもあり、また、病気や諸事の都合で葬儀に参列できない場合は弔辞をテープに吹き込んで代理の者にもたせ、それを回してもらうこともあります。

葬儀場へは、ふくさで包んで持っていくのが正式です。用意できない場合は、きれいな紙に包んで持っていきます。
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5. 弔辞の読み方
弔辞は故人へ語りかけると同時に、その遺族や参列者にも聞いてもらうものです。
ですから、耳で聞いてわかりやすい言葉や発音しやす い言葉を選びます。
そして・・・

  ◆低く静かに
  ◆ゆっくり一語一語かみしめるように
  ◆心をこめ、ていねいに

読み上げることが大切です。
弔辞を読むときの感情の表現はむずかしく、悲しみをそのままストレートに表現したのでは、かえってわざとらしくもあり、また、あまり形式ばった言葉や美辞麗句の羅列でも困ります。

格式のある弔辞とは、故人を追慕し弔う心のあり方が、素直に文章の中ににじみ出て
いるものといえましょう。

朗読の途中、涙があふれてきたときは、涙をふき、おえつがおさまってから朗読を続けます。このような場合、朗読がつかえても失礼になりません。
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6. 忌み言葉
弔辞の中では、「重ねる」「くりかえし」を意味する言葉は使わない習慣になっています。これらの言葉は、死という不幸が、重なって度々逢ってはこまる、ということからきています。
死を直接表現する語は避けます。
仏式の場合は「迷う」「浮かばれない」などは成仏できないという意味が含まれますので、忌み言葉とされています。迷信といってしまえばそれまでですが、気にする人がいる以上、避けるべきでしょう。
■忌み言葉あれこれ
「ふたたび」 「再々」 「再三再四」 「またまた」 「重ね重ね」 「繰り返し」 
「追って」 「かえすがえすも」 「くれぐれも」 「まだまだ」 「重々」 「重ねて」
「たびたび」 「なおなお」 「続けて」 「なおまた」 「今一度」 「かつまた」 
「引き続き」 「迷う」 「浮かばれない」 「やがて」 「近々」 「また」 「死亡」
「死去」 「さぞさぞ」 「皆々様」 「まことにまことに」 「ますます」 
「とんでもないことに」 「とんだことに」 「繰り返す」 「追伸」 「苦しむ」 
「朽ちる」 「倒れる」 「再度」 「さらに」 「つまる」 「九」 「四」 「今度」 
「ついで」
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7. 社長の死を悼む(社員代表の弔辞例)
 本日、故○○社長の葬儀が執り行わらせるにあたり、我々××社従業員一同はここに謹しみて故社長の霊前に、心から敬慕の情と、哀悼の誠を捧げます。

 私共の社長、社長の逝かかるや、誠に突然でありました。ただかりそめの御病気とばかり思っておりましたのに、かくまで他界されようとは、全く信じられなかったのであります。しかし、今や我々はこの悲しむべき現実の前に、ひとしく首をたれ、慈父と慕い、恩師と仰ぐ人の面影を追うより他ないのであります。

 かえりみれば、在りし日の社長は、私共にとって実に偉大なる存在 でありました。社長自ら制定されました「××社の実践綱領」は、社長の御生前において率先お示しになった信条であり、今では、我々に対する尊い御遺訓であります。

 ことに社長が我々従業員を見ること家族のごとく、家長として各個の自由を尊重され、従業員の生活、福祉に絶えず留意されたことは感謝に堪えないところであります。また働きよい社として、常に親しみと感謝を持つことができたのであります。

 本年一月、創業四十周年の記念日を迎え、社屋において祝賀の宴を催しました。その時社長自ら勤続者の表彰を行い、宴会場に臨んで我々従業員と共に時の移るのを忘れて談笑せられました。思えば我々と席を同じくせられたのは、その日が最後でありました。

 その後は今日まで、私どもは社長の温顔をこの社内に迎えることなく、永眠されましたことは、今に至って尚、私共に、その事実を疑わせる思いがいたすほどであります。

 しかし、我々の前には社長の霊柩が安置され、我々従業員は今まさにお送りしようとしているのであります。我々は今、悲痛傷心のうちにありますが、おのおのの仕事は決して忘れてはおりません。

 幸にして社業はいよいよ盛んなるものがあります。我々従業員は御遺訓を守り、社長の精神を永久に生かすことを、心から念願しつつ仕事にはげむものでありす。

 願わくば社長、我々の哀情を受けさせられ、安らかに永眠されんことを。
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8. 親友の死を悼む(友人代表の弔辞例)
 君は私との年来の約束であった「私の弔辞を読む」ということを果たさずに先に逝ってしまった。私が君の弔辞を述べるということは予期しなかっただけに、この悲しみもまた大きいといえよう。 

 君は××県××町に生まれ十六歳の春、北海道に来て我が業界に足を入れたのである。それから四十五年、君は志士として働き、苦斗を重ねて今日のJ社を築き上げたのであるが、決して順風満帆をはらんだ進展ではなかったのである。

 これは君の努力勉励の結果であるが、とくに戦時中の統制経済や事業整備、さては戦後の混乱期や、昭和二十七年の風水害に会して、その業態は実に苦しかったのであるが、よくこの危機を切り抜けたのも君の絶えざる努力と奮斗の賜である。その間、同業組合の役員としてその任務を忠実に果たされたことも、その功績は大きいものである。

の四十五年にわたる長い間、私は君と親しく交わりを続け、同甘同苦とともにきる斯業に励んできた。そしてお互いに心の灯としてきたのであった。

 懐えば、その思い出は尽きないものであるが、なかでも、あの冬の北陸の旅で宿をとりはずし、膝を没する雪の道を助けあって、さまよったこともあった。宿に泊まって、用意の酒を飲みほして夜中にベルを鳴らして小言を受けたこともある。小料理屋で話の尽きぬままに数十本の銚子をあけて、夜の白むまで飲み続け、家人を心配させたことも度々あった。また組合の仕事のうえで議論を斗わせて、組合を出てからも街角で二時間、三時間も話し合って警官に注意されたこともあった。

 君は性格においても至って鷹揚であって、ことに動じない。そしていつもニコニコとしている。どんなことが起こっても決して急がず。「どうにかなる」と笑っている。これは、よほど腹の、できた人でないと、できないことで、事実どうにかなっていくのであった。この性格と反対の私は、ことごとに急に物事を解決しようとするせっかちな性格であるが妙に気があっていたのも、陰陽のとりあわせがよくできていたのであろう。

 そして事業上でも、家庭のうえでも、事があるごとにお互いに相談し助け合ってきたのであるが、今君を失っては、両輪の片方をなくしたと同様に、どうにもならないことになって、悲嘆とか寂寥とかいう言葉では表し得ないものがある。

 しかし君の魂は極楽浄土の地にあって、ニコニコと座しているのであろう。君の教えの「どうにかなる」という言葉も今日の場合にはとおらない。ああ、哀悼の極みである。

 しかし、君の事業を継ぐに、子息××君は業界にも希に見る秀才であり、必ずや将来更に大をなす人である。君は極楽浄土にあって、その将来を見守ってくれることを願っておく。今、君のなきがらと永遠の別れを告げるにあたって心から哀悼の意を表して弔辞とする。
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9. 同町内の知人の死を悼む(町内知人の弔辞例)
 ○○君の霊に対して謹みて惜別の蕪辞を呈します。
 君は、わが町内の有力者として、長年にわたって町内発展のため、率先御尽力致されましたことはまことに感謝の念に堪えません。わたし個人にとりましても無二の親友として、何かと御高導下さいましたことを、深く感謝いたします。

 その君が忽然として黄泉に旅立たれましたことは、私たち一同の驚愕この上なく非嘆かぎりない極みであります。ああ、瞼を閉じて去来するものは君の温顔、君の容姿、しかもあの元気な面影であります。

 公共福祉のためには己をすてて義快心をもって、その目的達成のために尽力をいたされました君。他の町内に比較して、数々の難問題の山積みしていた我が町内を、今日のごとく立派にもりたてて下さったのは、実に、君のたゆまざる努力の賜ものであります。

 とくに、かねてからの懸案であった「児童公園」設置に際しては、君の所有する土地を無償提供せられまして、その上施設に対しても多大なる配慮を賜りました。近日、はなばなしい開園式を催すことになっていて、その喜びの日を目前に控えて、突如として逝去されたのは、まことに遺憾に堪えない次第であります。

 開園式の当日には君の座席を用意しておくことは勿論、式が終わってから、関係者一同揃って君の霊前に感謝の報告にまいりますものですから、あの世で御覧下さいますよう、お願い申し上げます。

 ああ、されど君。我々は君の意志をつぎ、君の理想を理想として我が町内を一層栄えさせ大和の精神、協力一致の実をあげて、もって模範町内といたす覚悟でありますことをお誓いいたします。ああ、浄土の君よ、安らかに眠りたまえ。
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10. 孫の弔辞例(祖父母の死を悼む)
 10-1(小学生)
 お別れの言葉。おじいちゃんいつも可愛がってくれてどうもありがとう。外では怪我をしないように、寒くなったら風邪を引かないようにといつも心配して電話をくれたおじいちゃん。今年の正月もみんなに年賀状をくれて、とてもうれしかったよ。

 それから、おじいちゃんのお店の二階でみんなで騒いだら階段の下から大きな声で「もう少し静かに」と怒られたこと。その声はいつまでも忘れることができません。

 もう一度大声で「こら、静かに」と怒ってください。

 でも、とってもやさしいおじいちゃん。いつも口癖のようにお父さんお母さんの言うことをよく聞いてよい子になってね、それがおじいちゃんの願いだからね、と言っていました。僕たち私たちはそのことを忘れずに、きっとよい子になりますから、どうかおじいちゃん、遠い空から見守って下さいね。

 いつまでもいつまでも。愉快なやさしいおじいちゃん。さようなら。

 10-2(中学生)
 おじいちゃん。おじいちゃんは今、どんなところにいらっしゃるのですか。
 おじいちゃん、おばあちゃんには、再会できましたか。

 いつも思い出話を語ってくださったおじいちゃんのことですから、真っ先におばあちゃんを探したことでしょうね。おじいちゃんの田舎を訪れるたびにお菓子をお土産にくれて、とても嬉しかったのを覚えています。

 おじいちゃんは私たちに、いろいろなことを教えてくださいました。おじいちゃんが子どもの頃のこと、富良野の美しい自然こと。
とても優しいおじいさんが、私は大好きでした。

 おじいちゃんは、「人には思いやりが大切だよ」と、いつも教えてくれました。私はこれからもずっと、おじいちゃんから教えていただいたことを守って生きていくつもりです。

 どうぞいつまでも、私たちみんなを見守っていてください。
さようなら。

 10-3(高校生)
 ○○じいさん、長い人生ご苦労さまでした。床につかれてから半年、あんな大病だったのに、痛いとも、苦しいとも、ひとことも弱音をはかないで心配する私たちを反対に慰めてくださいました。

 最後まで希望を失うことなく、苦痛にじっと耐え私たちを愛してくれた○○じいさんの闘病生活をみて肉親としてどれほど誇りに思ったことでしょう。

 ○○じいさんは情に厚く、一緒に泣き笑いを共にし優しく相談を聞き、温かく接してくださいました。私たちは、この優しさ、強さを抱き、これからもがんばって生きていきたいと思います。

 ○○じいさん、長い間お疲れ様でございました。
 ありがとうございました。これからも天国から時々叱咤激励して下さい。
 どうぞ安らかにお眠り下さい。
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