コラム

感動葬儀

エピソード34

感動葬儀

病院から、ご遺体を搬送しご自宅で、着物、お顔を整え、枕もとの準備をしていました。ご遺族は、隣の部屋で「お寺さんに電話、団子は?花瓶は?電話帳もってこい。」バタバタ、バタバタしていました。
枕祭壇を飾り「ご準備が整いましたので、いったん手を休めてお参りいただけますか?」
「やすらかなお顔されていますね。まだ少しぬくもりがあります。どうぞお顔に触れてください。」
「私の想像ですが、故人様逝かれるときは、あまり苦しまなかったのではないですか?」「えっ、わかるんですか?母は眠るように息を引き取りました。」「このぬくもりと、安らかなお顔、柔らかい手、見ていれば想像がつきます。どうぞ触れてみてください。」一同順次、恐る恐る額やお顔に手を触れていました。「あらほんと暖かい。」「眠っているようだね。」ご遺族は、しばらくお母様のお顔を眺めておいででした。
「どうぞお参り下さい。」喪主様が祭壇に座り、お線香に火をつけたとたんに、「母さん……」と言って、ボロボロと泣き出してしまいました。しばらくして、後ろから奥様が、そっと手を差し出して、一緒に一本のお線香を立ててお二人でお参りされました。気丈に見えた喪主様ですが、私たちはどんなご遺族であってもゆっくりと時が流れるひとときをつくることが必要だと思います。おそらく喪主様最初は、しっかりとお送りしたいというお気持ちのほうが強かったのかもしれません。