HOME > 葬儀の基礎知識(目次) > Vol.11 散骨について
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■散骨について
1. 散骨について
『墓地・埋葬等に関する法律』
明治時代に制定された「墓地及埋葬取締則」を改正して昭和23年交付されました。
●第1条「目的」
この法律は墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。
〜刑法(遺骨損壊罪)〜
●刑法 190条
死体、遺骨、遺髪又は棺内に蔵置し足る物を損壊、遺棄又は領得したる者は3年以下の懲役に処す。
*刑法190条の法益は「社会的風俗としての宗教感情」とされ、節度を持って葬送の目的をもって行われれば(散骨は)違法ではないという解釈が有力とされています。
■散骨後の慰霊
一周忌等は少人数の身内のみで行うことがうかがわれるようで、改めて散骨地点へ行くことは少ないと推測されます。
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2. 散骨は法律違反ではないのでしょうか?
「散骨」についての法律といえば、まず「墓地、埋葬に関する法律」があげられます。この法律は昭和23年に施行されたもので、「墓地以外の埋葬、火葬場以外の火葬」を禁止しています。

しかし、埋葬されない焼骨がどのように扱われなければならないかということまでは規定していません。当時は、勝手に土葬して伝染病が広がったりすることのないようにという公衆衛生上の問題であって、今日の「散骨」というような葬送方法は考えられていなかったのでしょう。 
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3. 刑法上の問題はないのでしょうか?
法務省は「節度をもって葬送の一つとして行われる限りは問題はない」との見解を表明しています。

刑法190条の「遺骨遺棄罪」に当たるのではないかということですが、葬送のために遺骨(遺灰)を撒くことは「遺棄」には当たりません。故人の遺言や遺族からの承諾があって、節度をもって行われれば問題はないという事です。
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4. 「節度をもって」とはどういうことでしょうか?
遺骨を捨てるというような行為としてではなく、葬送の一つの方法として行われる
ことが必要でしょう。

お骨は科学的にはカルシウムであり、環境汚染とは無縁のものです。しかし、インドのガンジス川のように、隣で人骨が流されているところで沐浴もしているというような環境ではありませんから、散骨する場所については、現在は特に規制がありませんが、住民や漁民の感情に十分配慮して行うべきであると思います。

また、火葬したお骨を丁寧に細かく砕き(2mm程度)、人骨とわからないように粉末状にしておくことも必要だと思います。散骨の場合には、少量を故人の思い出の場所などにご遺族だけでするのがよろしいかと思います。
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5. 海洋汚染についての問題は無いのでしょうか?
「廃棄物処理法」や「海洋汚染防止法」などでは、汚染物質について考えられていますが、遺骨(遺灰)の主成分はリン酸カルシウムであり問題ありません。

散骨に際して形見を投げ入れたりすることは、たとえ汚物物質でないとしても控えた方が良いと考えています。お花もできるだけ小さなものの方がいいでしょう。
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6. 一般的散骨場所は?
青春時代の思い出の残る海や山に、故郷の松林や桜の樹の下に、子どもの頃遊んだ川に、庭の草花の根方に、あこがれ続けた未踏の佳境へなど、実に多様であります。

故人との思い出の地を訪ね、その旅ごとに少しずつ撒いてゆけば、意義深い葬送が行えます。

ただし、他人の所有地に散骨する場合は、当然了解をとることが必要です。
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7. 実際にどの様に散骨するのですか??
火葬された遺骨は、大きさがさまざまであり、そのまま散骨するわけでは有りません。
2mm以下の細かな粒にして散骨するのが通例ですが、この作業は思いのほか簡単です。遺骨は手でつかんでも崩れる状態ですが、実際は布の袋に入れたまま、金づちなどで軽くたたいて、2ミリほどの目のふるいにかけ、残りを再び袋に入れてたたき、これを2〜3回繰り返せば、きれいな粉末になります。
(粉末状になった遺骨を遺灰と呼んでいます)
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8. 抵抗感はありますか?
骨を砕くことに抵抗感のあった人でも、粉末化した後では大抵の方が、故人とゆっくり話ができた、しみじみと思い出に浸れたなどと、遺族の手でやって良かったと感想を言われます。

またどうしても自分で粉末に出来ないという方は、依頼することもできます。
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9. 散骨の意思決定は?
故人が散骨を望んでいても、遺族がそれを許さない風潮もあります。
あくまでも故人の意思と遺族の意思が同じで、かつ重要な親族からも支持されることが大切です。

このためには遺言で希望を遺すことも有効でしょうが、常日頃から関係する親族や、喪主となる予定の人との間で完全な合意を得ておくことです。
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10. 埋葬済みの遺骨の散骨はできるのですか?
すでにお墓に納めてしまった遺骨も散骨することが出来ます。散骨することは改葬にはあたりませんから、行政上の届け出や改葬許可は必要ありません。

霊園やお寺には遺骨を自宅に引き取りたいと申し出ればよいのです。お寺等ではこれを拒否することは出来ません。
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