■仏教儀礼 |
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■ 葬儀の起源と仏教の係わり≪葬儀の歴史≫ |
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葬儀まつり儀式を賦し布し埋葬を行った。
フランスの歴史学者フィリップ・アリエスの著書「死の文化史」の中で、かねてから信じられて来たように、人間は自らが死にゆくことを知っている唯一の動物である。
ネアンデルタ−ル人が、死者を葬った共同墓地を紹介している。それは、4万年以上前のことである。北イラクのシャンダ−ル遺跡で発見・・・人骨の周囲を花粉で弔いをしてきた。有史以来の人間は人が死ぬと葬儀を行ってきた。
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■ 日本古来の葬儀公礼≪葬儀の歴史≫ |
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古事記 712年
天若日子(あめのわかひこ)の葬儀の様子としてそこには喪屋を作って
河雁(かわがり)を岐佐理持(きさりもち)とし鷺(さぎ)を掃持(ははきもち)とし・・・
【注記】
・喪屋は遺体を安置する小屋
・岐佐理持は旗を持つこと
・掃持は掃持する箒御食人(ほうきみけびと)は死者に食事を供する役目
・河雁、鷺は名前 |
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■ 仏教の教え |
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■ 死後の世界・・・永遠のテ−マ、死を克服できない |
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■ 苦界である現世・・・6個の世界に分けている |
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■ 六道・・・六道で生と死をくり返し続けている 輪廻転生、因果応報、二連禅河 |
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■ 六 道 |
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■ 天道−極楽とは異なり、迷いも寿命もある世界 |
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■ 人間道−一切が苦である世界 |
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■ 修羅道−血気盛んで、戦闘を好む者が住む争いの絶えない世界 |
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■ 畜生道−人間に残害され、互いに殺生し合う苦を背負う世界 |
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■ 餓鬼道−飢えにさいなまれる世界 |
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■ 地獄道−阿鼻叫喚の八大熱地獄と八大寒地獄などがある世界 |
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■ 仏教とは |
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仏教の教えと同時に仏陀になるための教えでもある |
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■ 布施(ふせ) |
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もともと布施には、次の3つがあります。僧侶の務めとして、正しい仏法のあり方を広く伝え、精神的な施しをする「布施」(ふせ)、寺院や僧侶に対して、信者の側からお金や物を施す「財施」(ざいせ)、不安や恐れを抱いている人々に広く慈悲を行う「無畏施」(むいせ)の三つです。布施とは本来、それぞれにまわりまわってお互いがお互いに施すという性格のものなのです。今日では、信者から寺や僧侶への「財施」が、いわゆる布施として定着しています。
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■ 仏像 |
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仏像とは、仏の教えを確認する対象です。私たちは仏像を拝むことで、その後ろにいる仏を拝んでいるのです。
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■ 如来(にょらい) |
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如来には、修業を完成して正しく真理悟った、という意味があります。
無限の智慧と慈悲によって、大衆を救済してくれる存在といえます。 |
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■ 釈迦牟尼仏(しゃかにょらい) |
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この世の真理を発見して、永遠の仏になった釈尊のことです。
あらゆる人々に救いの手をさしのべてくれます。 |
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■ 大日如来(だいにちにょらい) |
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三千大千世界と呼ばれる宇宙の中央にいるという仏です。
真言密教では、この仏を宇宙の真理としています。 |
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■ 阿弥陀如来(あみだにょらい) |
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極楽浄土を主宰するという仏です。
浄土信仰では臨終のときに阿弥陀如来が雲に乗って迎えにくるとしています。 |
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■ 菩薩(ぼさつ) |
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悟りを求めて修業する者という意味があります。
「この世の中で苦しみ悩んでいる人が、残らず救われるまでは仏にならない」と、成仏を延期しているといいます。 |
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■ 観音菩薩(かんのんぼさつ) |
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正しくは、観世音菩薩といいます。私たちの声を聞き、姿を見て自在に救済してくれる存在です。衆生を救うと同時に、仏道を広め、導く役割があります。 |
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■ 弥勒菩薩(みろくぼさつ) |
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釈迦の入滅から56億7千万年後に、釈迦に代わって世を救うとされる未来仏です。 |
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■ 地蔵菩薩(じぞうぼさつ) |
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釈尊の入滅から弥勒菩薩が現れるまでの間、仏の代理としてすべての苦しみから衆生を救うとされます。 |
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■ 薬師如来(やくしにょらい) |
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人々を病苦や災いから救い、健康を守ってくださいます。
左手に薬壺を持ちます。 |
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■ 阿閃如来(あしゅくにょらい) |
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不動の菩薩心を司り、無病息災を授けます。
左手で袈裟の端を持つのが特徴です。 |
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■ 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) |
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釈迦如来の脇侍で、知恵を司る菩薩です。
経典を持つのが特徴。獅子に乗ることもあります。 |
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■ 普賢菩薩(ふげんぼさつ) |
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釈迦如来の脇侍で、行・徳を司る菩薩です。
長寿の御利益があります。白像に乗ることもあります。 |
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■ 勢至菩薩(せいしぼさつ) |
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阿弥陀如来の脇侍で、知恵の光で現世を照らします。
宝冠に宝瓶。手は虚心合掌。 |
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■ 虚空像菩薩(こくうぞうぼさつ) |
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虚空像とは、無尽の蔵。知恵と慈悲の功徳が尽きない御仏です。右手に剣。左手に宝珠。 |
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■ 不動明王(ふどうみょうおう) |
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大日如来にお仕えし、火焔で汚れた焚き浄めて、人々を守ります。
右手に剣。左手に索。目くじらを立て、にらみつけている形相、これは、いつも優しくするだけが能ではなく、ときには厳しく叱り、たしなめることも必要であり、そうした愛のムチ的な役割を果す。
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■ 金剛力士(こんごうりきし) |
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密教独特の仏で、すべての悪魔・煩悩を降伏させる大日如来の使者とされます。憤怒の表情は、内面の反省を促しているといいます。 |
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■ 千手観音(せんじゅかんのん) |
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千手とは数限りない人々の苦悩をすべて救いとるという意味です。
すべての人の願い事をかなえ、救い取るために千本の手があるとされます。 |
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■ 帝釈天(たいしゃくてん) |
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インドの神様で、四天王(多聞天たもんてん、増長天ぞうちょうてん、持国天じこくてん、広目天こうもくてん)を派遣して人々を観察し、善人の命をながらえ、悪人の命を絶つとされます。
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■ 戒名 |
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戒名とは、仏教教団に入り戒律を守ることを誓った者に与えられる名前のことです。本来は戒を授けられた出家した僧にのみあたえられるものでしたが、出家しない在家の檀信徒も授戒会(じゅかいえ)に加わって戒を受けることにより、仏法に帰依(きえ)した者として戒名を与えられるようになりました。元々インド仏教には戒名はなく、仏教が中国に伝わった以降に生まれたものといわれます。
江戸時代以降、寺檀制度が確立する中で、亡くなった人に授戒して戒名を与えることが一般的となりました。本来戒名は、生前に入信して与えられるべきものですが、死者の場合でも生きている者として扱い、できるだけ早く授戒させようと、しばしば通夜に授戒が行われます。これは、没後作僧(もつごさそう)と言い、亡くなった人を仏の弟子にして浄土に送るということを表します。授戒は引導と共に葬儀儀礼の中心をなすものとして位置づけられてます。没後作僧(もつごさそう)について生前、入信して与えられるべきものですが、その縁がなかった者も死後といえども切り捨てるのではないという仏の大慈悲が存在すると説明するものもあります。
戒名は、身分制の時代を背景に発達しましたので、戒名が身分を表すことも多かったのですが、近年は寺院、社会への貢献度、信仰の深浅、人徳などを住職が判断してつけるものとされています。しかし、戦後、特に高度経済成長以降、寄進する金額の多寡によって位の高い戒名が買えるという風潮が出て、戒名料なる言葉も一般化するなど批判の対象となる現象も起きています。現在では寺院でも戒名のあり方について再検討の課題となっています。
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■ 法名 |
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浄土真宗では在家道で教義にも戒律や授戒はなく、聞法者(もんぽうしゃ)という意味をこめて法名といいます。帰敬式(ききょうしき)おかみそりやおこうぞりともいいますが、これを受けていただくものとされています。
生前に法名を得ていないときはお手次寺(おてつぎてら)檀那寺(だんなてら)より法名を受けます。
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■ 法号 |
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日蓮宗は法華経(ほけきょう)に帰依することが持戒(じかい)にまさるということで、あるいは、法華経を受け持つことが戒をたもつことという考えから葬儀式に授戒という作法はありません。信仰に入った証ということで法号が与えられます。
本来は生前に与えられるものですが、亡くなった後に授与されることが多く、また生前に与えられていても死後改めて授与しなおされることが多いようです。 |
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■ 戒名(法名、法号)の構成 |
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戒名は本来2字で、中世までは貴人といえども2字であったと言われます。
今までは本来の戒名である法号の上に道号、さらにその上に院号がつけられ、法号の下に位号がつくという構成になっています。
○○院△△■■居士(大姉)の場合
・○○院が院号
・△△が道号
・■■が法号
・居士(大姉)が位号です |
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■ 院号・道号・法号 |
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≪院号≫ |
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最上級の尊称と言われるものに院号(○○院)、院殿号(○○院殿)があります。
かつては一寺を建立するほど貢献した人に与えられる尊称で、皇室や、摂関家に
対して○○院がまたこれと区別するため武家に○○院殿が与えられました。
特に本家の主人のみにつけたとされます。 |
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≪道号≫ |
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道号は元々、仏道に励み、これを究めた者への出世の称号で、住職などに与えら
れたものと言われます。 |
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≪法号≫ |
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本来の戒名(法名、法号)です。 |
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■ 位号 |
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位階や性別を表すものです。成人(15歳以上)の場合一般に信心の厚い者を信士(しんじ)・信女(しんにょ)に、より清浄な者を清信士・清信女に、仏門に入り剃髪染衣(ていはつぜんえ)した者を禅定門(ぜんじょうもん)・禅定尼(ぜんじょうに)に、四徳を備えた篤信の信者を居士(こじ)大姉(だいし)に、より上位を大居士・清大姉にとします。
子供の場合、死産児に水子(すいし)、乳飲み子に嬰児(ようじ)・嬰女(えいにょ)2から3歳ぐらいに孩児(がいじ)孩女(がいにょ)、15歳未満の子供に童子(どうじ)童女(どうにょ)とすることが一派的なようです。
子供の場合には院号、道号はつけないのが一般的です。 |
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■ 宗派による戒名(法名、法号)の違い |
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■真言宗 |
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位牌に戒名を書くとき、戒名の上に梵字(ぼんじ)でアの字を、子供の場合はカの字を書きます。アは大日如来の悟りに帰入すること。カは地蔵菩薩の導きに従うことを示します。 |
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■浄土宗 |
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五重相伝(教えを5つの段階に分けて伝える法会)を受けたものには院号と道号の間に誉号をつけ、○○院◇誉△△□□居士(大姉)のようになります。
但し、西山浄土宗の場合は、授戒を受けた者には空号が、さらに五重相伝を受けた者には道号がつき、、○○院◇空△△□□居士(大姉)のようになります。
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■浄土真宗 |
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法名の前に男性は釈もしくは釋、女性は釈尼もしくは釋尼がつきます。近年、女性に尼をつけるのは差別だとして男性と同じようにする風潮も出ています。 |
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男 ○○院釋□□
女 ○○院釋尼□□ |
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■時宗 |
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男性には阿号、女性には弌号が使われます。 |
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男 ○○院◇阿△△□□居士 女 ○○院◇弌△△□□大姉 |
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■臨済宗 |
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院号に次ぐものとして庵号、斎号、軒号が使われることがあります。また、位号に禅定門、禅定尼、大禅定門、大禅定尼がつくのは臨済宗に多いと言われます。 |
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■曹洞宗 |
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熟字でまとめられている場合が多いようです。特に道号と法号の4字は経典、祖録、漢詩を参照し、対句で熟語としています。 |
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■日蓮宗 |
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法号には日の字が入り、多くの場合道号に男性は法、女性は妙がつきます。 |
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男 ○○院法△日□信士 女 ○○院妙△日□信女 |
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